転職ノウハウ ・ 監修 中町しずく ・ 更新日 2026-07-05

転職の志望動機の書き方|そのまま使える例文とNG例

転職の志望動機の書き方|そのまま使える例文とNG例

職務経歴書を前にして、いちばん手が止まるのが志望動機の欄です。志望動機。書けそうで書けない、あの空白。

実績は事実を並べればいいけれど、志望動機だけは「なんとなくいい感じ」でごまかせない。だから、みんなここで詰まります。

そして詰まったあげく、多くの人がどの会社にも出せる無難な文章に落ち着かせてしまう。「貴社の成長性に魅力を感じ」「これまでの経験を活かして貢献したい」。読んだ側からすると、これがいちばん困る志望動機です。

会社名を差し替えても成立する文章は、要するに「あなたじゃなくてもいい」と言っているのと同じだからです。

この記事では、面接官が「お、ちゃんと考えてるな」と思う志望動機の型を、そのまま使える例文とよくあるNG例つきで解説します。テンプレをなぞるのではなく、あなたの言葉で埋められる骨組みを渡すのが狙いです。

志望動機の核は、たった3つ

凝った文章はいりません。通る志望動機は、突き詰めると次の3つの問いに答えているだけです。逆に、この3つのどれかが欠けていると、途端に薄っぺらくなります。

① なぜ他社でなく、この会社か
数ある同業のなかで、なぜここなのか。ここが志望動機の本丸です。

② これまでの経験が、どう活きるか
自分の実績と、その会社が求めていることの接点。あなたを採るメリット。

③ 入って、何をしたいか
入社後に何に取り組み、どう貢献したいか。未来の話。

この3つを、①→②→③の順で1本の線につなげる。「御社のこういう点に惹かれた(①)。自分にはこういう経験があるので(②)、入ったらこれをやりたい(③)」。

この流れができていれば、文章が多少ぶっきらぼうでも、志望動機としてはちゃんと通ります。逆に、いくら熱意を語っても①が抜けていると、「で、なんでウチなの?」が最後まで残ります。

使い回しがバレるのは、①が空っぽだから

「志望動機が薄い」と言われる人の文章を見ると、だいたい②と③しか書いていません。自分の経験(②)と、やりたいこと(③)。この2つは自分の中から出てくるので、どの会社に出しても使い回せる。

だから楽なんです。でも、楽な分だけバレます。

抜けているのはいつも①、「なぜこの会社か」です。ここは自分の頭の中からは出てこない。その会社を調べて、他社と比べて、初めて書けるパートだからです。

ここが埋まっていない志望動機は、面接官からすると「うちのことは特に調べてないんだな」と一瞬で見抜かれます。

「成長性に惹かれた」「社会貢献性に共感した」といった言葉が危ういのも同じ理由です。その業界の会社なら、どこも成長性や社会貢献を掲げている。つまりその一言では会社を特定できていない

志望動機の①は、「この一文はA社には出せてもB社には出せない」というレベルまで具体的でないと、書いた意味がありません。

①を埋める材料は、企業研究から拾う

「なぜこの会社か」を具体的に書くには、材料がいります。その材料は、企業研究でしか手に入りません。といっても難しいことはなくて、次のあたりを見ていくと、①に使えるネタが必ず1つ2つ見つかります。

  • 事業や商品の「他社との違い」。同じ業界でも、この会社だけがやっている事業、力を入れている領域、独自のやり方がある。そこに自分がなぜ惹かれるかを書く。
  • 会社の言葉(ミッション・社長メッセージ)。採用ページや社長インタビューには、その会社が何を大事にしているかが出ている。自分の価値観と重なる部分を拾う。
  • これからの方向性。新規事業、海外展開、注力領域。「これから伸ばそうとしているここに、自分の経験で力になれる」とつなげると②③まで一気につながる。

コツは、拾った事実に「だから自分はこう感じた/こう活かせる」を必ずくっつけること。事実の紹介だけで終わると、それは企業研究のレポートであって志望動機ではありません。事実と自分をつなぐ一文が、志望動機の生命線です。

そのまま使える例文(3パターン)

骨組みだけだとイメージが湧かないと思うので、実物を3つ載せます。会社名や実績の部分を自分のものに差し替えれば、そのまま使える構成です。読むときは①→②→③がどこで切り替わっているか、境目を意識してみてください。

同職種への転職(経験を活かす)

営業→営業(法人向けSaaS)

現職では法人向けに3年間、新規開拓の営業を担当し、直近は担当エリアで売上目標を2期連続で達成してきました。ただ、扱う商材が価格で比較されやすく、「本当に顧客の課題を解決できているか」に手応えを持ちにくいと感じるようになりました。

御社を志望したのは、単発の販売ではなく導入後の活用まで伴走する営業スタイルを掲げている点に、自分が求めていた働き方が重なったからです。前職で培った新規開拓のスキルを、御社の「売って終わりにしない」営業に活かし、顧客と長く付き合える関係づくりに貢献したいと考えています。

職種転換(軸ずらし転職)

販売職→カスタマーサクセス

アパレルの店舗で5年間接客を担当し、リピーターのお客様を増やすことにやりがいを感じてきました。一人ひとりの困りごとを聞き出し、次につなげる。この「顧客と長期で向き合う」経験を、より仕組みとして活かせる仕事に移りたいと考えるようになりました。

御社のカスタマーサクセス職を志望したのは、導入企業の成果に責任を持つという姿勢が、私が店頭で大事にしてきたことと同じだと感じたからです。接客で磨いた「相手の本音を引き出す力」を、解約を防ぎ利用を定着させる仕事に活かしていきたいです。

未経験の職種・業界へ

事務職→ITエンジニア(未経験)

現職では営業事務として、受発注のミスを減らすために自分でExcelの集計を自動化し、チームの残業を月10時間ほど削減しました。この経験から、「手作業をなくして人を楽にする仕組みづくり」に本気で取り組みたいと考え、独学でプログラミングの学習を続けています。

数ある企業のなかで御社を志望したのは、社内の業務改善から生まれたツールを事業にしてきた成り立ちに、自分の原体験と同じ発想を感じたからです。未経験からのスタートですが、現場の非効率を見つけて改善してきた視点は、御社での開発にも必ず活きると考えています。

3つとも、頭で「なぜこの会社か(①)」に触れ、真ん中で「自分の経験(②)」、最後に「入って何をしたいか(③)」で締めています。長さは200〜300字が目安。だらだら書くより、この3点が入っていることのほうがずっと大事です。

よくあるNG例と、その直し方

逆に、面接官が「うーん」となる志望動機にはパターンがあります。自分の下書きが当てはまっていないか、書き終わったら見返してみてください。

  • 待遇・条件だけが理由。「給与水準が高い」「福利厚生が充実している」。本音ではあっても、これを前面に出すと「条件が良ければどこでもいいのか」と取られます。待遇は志望のきっかけにとどめ、①の会社ならではの理由に軸を移す。
  • 受け身の姿勢。「学ばせていただきたい」「成長できる環境だと思った」。会社は学校ではありません。学ぶ姿勢は大事でも、それだけだと「与えてもらう前提」に聞こえる。③で「何を提供できるか」をセットにする。
  • 盛りすぎ・話が大きすぎる。「業界に革命を起こしたい」「日本を代表する会社にしたい」。実績の裏づけがないと、ただの空回りに見えます。等身大で、自分の経験の延長で語れる範囲にとどめるほうが信用されます。
  • 現職の悪口が透けている。「今の会社は評価してくれない」。不満が動機なのはよくあることですが、そのまま出すと「うちでも同じことを言い出すのでは」と警戒されます。不満は「だからこうしたい」という前向きな言葉に翻訳してから書く。

NG例に共通するのは、視点が「自分がどうしてほしいか」に寄りすぎていることです。志望動機は、半分は相手(会社)の話。「あなたと働きたい理由」と「あなたを採るメリット」の両方があって、はじめて相手に届きます。

ひとりで唸る前に、壁打ちしてもらう

ここまで型を説明してきましたが、いざ自分のことになると①がうまく言葉にならない、というのはよくあります。自分の経験の何がその会社に刺さるのか、自分では意外と見えないものだからです。

そういうときは、転職エージェントに壁打ち相手になってもらうのが早い。エージェントはその会社が過去にどんな人を採ってきたか、何を評価するかを知っています。あなたの経歴を渡して「この会社ならどこを推すべきか」を聞けば、自分では気づかなかった①の材料が出てくることが多い。

志望動機の添削まで付き合ってくれるので、独りよがりな文章になるのを防げます。

まずは総合型に登録して相談する: 求人数の多いリクルートエージェントtype転職エージェントなら、応募先の情報も豊富で壁打ちの材料になります。書類や面接のサポートをていねいにしてほしいならパソナキャリアも。どれも無料なので、志望動機を書く前の下相談くらいの気持ちで使って大丈夫です。

志望動機で本当に問われているのは、文章力ではありません。自分は何を大事にして、何が得意で、どこへ向かいたいのか――この軸がはっきりしているかどうかです。そこが定まっていれば、会社ごとに①を差し替えるだけで、志望動機は自然と書けるようになります。

なお、ここで固めた志望動機は面接でもそのまま深掘りされます。面接では最後の逆質問まで準備しておくと、志望度の高さをもうひと押し伝えられます。

自分の軸を、先に言語化しておく

当サイトの16タイプ診断は、「原動力・主導権・強みの型・判断軸」の4つから、あなたの働き方の軸をあぶり出します。「自分は安定した土台で積み上げたいのか、変化のなかで勝負したいのか」「専門を一点突破したいのか、掛け合わせで幅を出したいのか」。この軸がわかると、志望動機の②と③、つまり「何を活かして、何をしたいか」がぐっと書きやすくなります。

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