仕事の悩み・退職 ・ 監修 中町しずく ・ 更新日 2026-07-18

新卒・入社してすぐでも退職代行は使える?使う前に知るべきこと

新卒・入社してすぐでも退職代行は使える?使う前に知るべきこと

「入社して1か月しか経っていないのに、もう会社に行きたくない」「新卒がすぐ辞めるなんて許されないのでは」。この時期の相談で、いちばん多い悩みです。結論から言うと、新卒でも、入社してすぐでも、退職代行は問題なく使えます。法律上、退職の自由に「勤続年数の条件」はありません。

ただし、新卒の早期退職は勢いで決めると後悔しやすいのも事実です。この記事では、法律上の扱いから、「すぐ辞める」を決める前に確かめたい判断軸、研修中・寮・貸与PCといった新卒ならではの注意点、辞めたあとの第二新卒としての再スタートまでを順番に整理します。

煽らず、判断材料をフラットに並べるので、読み終わったら自分のケースに当てはめて考えてみてください。

新卒・入社してすぐでも退職代行は使える|法律上の扱いは同じ

まず前提から。期間の定めのない雇用契約(正社員の多くがこれに当たります)は、労働者が退職を申し入れてから2週間が経過すれば終了するのが民法627条の原則です(民法(e-Gov法令検索))。

この条文に「入社から〇年経過していること」といった条件はありません。入社1週間の新卒でも、勤続10年のベテランでも、退職の自由はまったく同じです。

「試用期間中だから辞められないのでは」という不安もよく聞きますが、これも誤解です。試用期間は一般に「解約権留保付きの労働契約」と説明されるもので、会社側が本採用を見送りやすくなる期間ではあっても、労働者側の辞める自由が制限される期間ではありません

辞める側から見れば、試用期間中も本採用後と同じく「申し入れから2週間」のルールが適用されるのが原則です。

そして退職代行は、この退職の意思表示を本人に代わって会社へ伝えるサービスです。新卒だから断られる、ということはありませんし、実際に各社とも入社直後の利用者を日常的に受け付けています。

「新卒がすぐ辞めるなんて非常識だ」「育成コストを損害賠償で請求するぞ」といった言葉で引き止められるケースもありますが、退職したこと自体を理由とする損害賠償請求が認められるのは極めて例外的と一般に説明されています。法律面だけを見れば、心配しすぎる必要はありません。

「すぐ辞める」を決める前に確かめること

使えるかどうかと、使うべきかどうかは別の話です。新卒の早期退職は決して珍しいことではなく、厚生労働省の調査でも新規学卒就職者のおよそ3割が3年以内に離職していることが継続的に示されています(厚生労働省:新規学卒就職者の離職状況)。

「早く辞める=人生の失敗」ではありません。ただ、辞めてから「あれは辞めるほどのことだったのか」と迷わないために、次の判断軸で一度立ち止まってみてください。

  • 辞める判断に合理性があるケース。心身に不調が出ている(眠れない・食べられない・涙が出る)、パワハラや暴言が常態化している、求人票や内定時の条件と実際の待遇が明らかに違う、違法な長時間労働やサービス残業が前提になっている。こうしたケースは環境そのものが問題であり、我慢を続けるほど回復に時間がかかります。早めに離れる判断は合理的です。
  • もう少し様子を見る余地があるケース。配属が希望と違った(いわゆる配属ガチャ)だけで仕事内容自体はまだ経験していない、単純に仕事に慣れておらず不安が大きい、人間関係がまだ浅くて居場所がない感覚がある。この段階の違和感は、3か月〜半年で景色が変わることも珍しくありません。配属の希望は異動願いや上司面談で伝える手段が残っていないかも確認してみてください。
  • 見極めの目安は「原因が変わり得るか」。時間や異動で変わり得る不満(慣れ・配属・スキル不足)なら残る選択肢も生きています。変わり得ない問題(ハラスメント体質・契約と違う待遇・心身の限界)なら、辞める準備を進めて構いません。

ひとつだけ強調しておくと、心身の不調が出ている場合は「様子を見る」を選ばないでください。新卒の1年目より、あなたの健康の方がずっと重要です。

新卒が自分で言い出しにくい理由と、代行が向くケース

「辞めると決めたなら自分で言えばいい」というのは正論ですが、新卒には新卒特有の言い出しにくさがあります。

採用や研修にコストをかけてもらった恩義、期待してくれた人事や配属先の顔、同期の目、そして社会人としての交渉経験がほぼゼロの状態で、経験豊富な上司の引き止めに一人で向き合わなければならないという構図。実際、「退職を切り出したら3時間説得された」「何度伝えても『まだ早い』と流される」という相談は珍しくありません。

そのうえで、退職代行が向くのは次のようなケースです。

  • すでに出社できない、または出社を考えると体調が崩れる。本人が直接やり取りする負荷そのものをなくせるのが代行の最大の価値です。
  • 強い引き止めや恫喝が予想される。「辞めるなら損害賠償」「親に連絡する」といった言葉が出る職場では、本人が対峙し続けるより第三者を挟む方が安全です。
  • 何度伝えても取り合ってもらえない。退職の意思表示が事実上ブロックされている状態は、代行から正式に伝え直すことで動き出します。

逆に、上司との関係が良好で、伝えれば普通に受理されそうな職場なら、まず自分で伝えることも検討してください。代行は「言えるけど楽をしたい」ための道具というより、「言えない・言っても通らない」状況を打開する道具と捉えるのがちょうどいい距離感です。

新卒が退職代行を使う場合の流れと注意点

使うと決めた場合の流れはシンプルです。新卒ならではの確認事項も含めて、3ステップで整理します。

  1. 無料相談で状況を伝える。LINEやフォームで「入社〇か月の新卒であること」「研修中かどうか」「寮・社宅に住んでいるか」「貸与品に何があるか」を伝えます。相談だけなら無料のサービスがほとんどで、この時点で料金と対応範囲が確定します。
  2. 実行日を決めて、会社への連絡を任せる。依頼が成立すると、代行が会社へ退職の意思を伝えます。以降、会社とのやり取りは代行が窓口になり、本人が電話に出たり出社したりする必要はありません。新卒は有給がまだ付与されていない(付与は原則、雇入れから6か月後)ことが多いため、退職日までの2週間は欠勤扱いで埋める形が一般的です。当日の細かい動き方は即日退職の流れを解説した記事にまとめています。
  3. 貸与品の返却と書類の受け取りを済ませる。PC・スマホ・社員証・制服・健康保険証などの貸与品は郵送で返却できます。会社からは離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証などを受け取ります(転職や失業給付の手続きで必要になります)。
新卒ならではの注意点:寮・社宅に住んでいる人は退去期限の調整が必要になるため、必ず相談時に伝えてください(即日の退去を求められるわけではなく、常識的な期限のすり合わせになるのが一般的です)。②外部研修や出張研修の最中でも退職の申し入れは可能ですが、宿泊先や移動の手配が会社経由の場合は段取りを代行と確認しておきましょう。③貸与PCやiPadを自宅に持ち帰っている場合は、データを勝手に消したりせず、そのまま追跡できる方法で郵送返却するのが安全です。

辞めたあとは「第二新卒」として再スタートできる

「新卒カードを捨てたら終わり」と思い詰める人が多いのですが、実際の転職市場には第二新卒(一般に、学校卒業後およそ3年以内に転職を目指す層)という明確な採用枠があります。

企業側から見た第二新卒は、基本的なビジネスマナーの土台がありつつ、前職の色に染まりきっていない育てやすい人材。ポテンシャル採用の対象として、むしろ積極的に求人が出ている領域です。

大事なのは、次の面接で「なぜ短期間で辞めたのか」を他責にせず、「何が合わなかったから、次はどういう環境を選ぶのか」という言語化に変換しておくこと。ここができていれば、早期離職はマイナスどころか「自分の適性を早く見極めた行動力」として評価されることさえあります。

第二新卒としての進め方・求人の探し方・面接での伝え方は、第二新卒の転職を解説した記事で詳しくまとめているので、退職を決めたらセットで読んでおいてください。

新卒に合う退職代行サービスの選び方

新卒がサービスを選ぶ基準は、①料金が明確で新卒の貯金でも無理なく払えるか、②会社が渋ったときに交渉できる体制(労働組合連携・弁護士)があるか、③24時間相談でき、寮や貸与品など個別事情に丁寧に対応してくれるかの3つです。この条件で、実績のある3社を挙げておきます。いずれも相談は無料です。

退職代行Jobs:労働組合と連携しており、会社が「新卒はまだ辞めさせられない」と渋った場合に組合経由の交渉へ切り替えられるのが強み。24時間受付・即日対応で、寮や貸与品の相談にも慣れている。迷ったらまず候補に入れたい1社。
→ 退職代行Jobs(公式・無料相談はこちら)

退職代行ニコイチ:創業が古く退職実績の件数が多い民間運営の定番。料金がリーズナブルで、会社が素直に応じそうで、費用を抑えたい新卒がシンプルに使いやすい。
→ 退職代行ニコイチ(公式・無料相談はこちら)

弁護士法人みやび(弁護士運営):「損害賠償を請求する」と脅されている、内定時の条件と実際の待遇が違い金銭面の主張もしたい、といったこじれたケース向け。法律事務として一括で任せられる最終手段。
→ 弁護士法人みやびの退職代行(公式・無料相談はこちら)

使い分けはシンプルです。引き止めや揉め事が心配なら労組連携のJobs、費用を抑えてスムーズに辞めたいならニコイチ、脅し文句が出ているならみやび。料金相場や運営タイプの違いも含めて全体像から比較したい人は、退職代行の選び方と比較の記事を先に読んでください。

新卒の早期退職でいちばんもったいないのは、「合わなかった理由」を言語化しないまま、同じ基準で次の会社を選んでしまうことです。当サイトの16タイプ診断は、原動力・主導権・強みの型・判断軸の4つから、あなたに合う働き方タイプを無料で言語化します。1社目のミスマッチを「自分を知るデータ」に変えてから、第二新卒の一歩を踏み出しましょう。

新卒の退職代行のよくある質問

Q. 入社して1か月ですが、退職代行を使っても法律的に問題ありませんか?

問題ありません。期間の定めのない雇用は、退職の申し入れから2週間の経過で終了するのが民法627条の原則であり、勤続年数による条件はありません。入社1か月の新卒でも、10年目の社員でも扱いは同じです。退職代行はその意思を本人に代わって会社へ伝えるサービスなので、利用自体が違法になることもありません。

Q. 試用期間中・研修中でも即日で辞められますか?

試用期間中でも退職の自由は制限されず、民法上は申し入れから2週間で退職となるのが原則です。「即日退職」は、この2週間を有給や欠勤で埋めて出社しない形を作る運用が一般的で、有給がまだ付与されていない新卒の場合は欠勤扱いになります。会社が同意すれば2週間を待たずに退職日を早めることも可能です。研修中であることは退職を妨げる理由にはなりません。

Q. 退職代行を使ったことは、次の転職先にバレますか?

退職代行の利用が転職先に自動的に伝わる仕組みはありません。離職票や源泉徴収票などの公的書類に退職代行の利用が記載されることもありません。前職への在籍確認が行われる場合でも、退職理由の詳細まで回答されるケースは一般的ではないとされています。面接では「退職代行を使ったか」より「なぜ短期間で辞めたか」を説明できることの方が重要です。

Q. 退職代行を使ったら、会社から親に連絡されませんか?

多くの退職代行サービスは、依頼時に「本人および実家への連絡を控えてほしい」と会社に伝えてくれます。法的に強制はできないため絶対とは言えませんが、会社側も代行から連絡を受けた後にあえて親へ連絡するケースは多くないと一般に説明されています。緊急連絡先に実家を登録している場合は、事前に代行へその旨を共有し、可能であれば親にも一言伝えておくとトラブルを避けやすくなります。

※本記事で紹介する退職代行サービスにはPRを含みます。サービスの利用(相談)は無料です。