職種・業界別 ・ 監修 中町しずく ・ 更新日 2026-07-05
事務職への転職は難しい?受かる人の準備と狙い目のポジション
「営業に疲れたから、落ち着いて働ける事務に移りたい」。この相談、本当に多いんです。そして毎回、少しだけ言いにくい本音を伝えることになります。
事務職は、実はいちばん受かりにくい職種のひとつです、と。
求人数だけ見れば事務はそこそこある。なのに難しい。理由は単純で、募集が1に対して、応募してくる人が10も20もいるからです。
「楽そう」「定時で帰れそう」というイメージで人気が集中し、倍率が跳ね上がる。ここを甘く見て、なんとなく応募して全滅する人を何人も見てきました。
でも、受かる人はちゃんといます。彼らがやっているのは特別なことではなく、「なぜ倍率が高いのか」を理解したうえで、そこを外す動き方です。この記事では、事務職が難しいと言われる本当の理由と、受かる人の準備、そして人気が割れている狙い目のポジションまで、順番に話していきます。
なぜ事務職は「難しい」のか
まず現実を直視しましょう。事務職の倍率が高いのには、いくつか重なった理由があります。
ひとつはイメージ先行の応募集中。「体力的にきつくない」「ノルマがない」「土日休みが多い」という印象で、営業・販売・接客など今の仕事に疲れた人がこぞって流れ込みます。人気だから枠が埋まりやすく、企業も選び放題になる。
もうひとつはDX化で純粋な事務の枠自体が減っていること。かつて手作業だった伝票処理やデータ入力は、システムやRPAに置き換わりつつあります。だから「言われたことを正確に入力する」だけの人材は、以前ほど多くは要りません。
企業が事務に求めるものが、少しずつ変わってきているんです。
もうひとつ、「未経験でもできそう」という気軽さも倍率を押し上げます。誰でも出せる分、書類も似たり寄ったり。志望動機が「落ち着いて働きたいから」ばかり並ぶと、採用側は選びようがありません。
この横並びの中で埋もれるかどうかが、最初の分かれ目です。
受かる人がやっている3つの準備
倍率が高い職種で選ばれる人は、才能で勝っているわけではありません。準備で差をつけています。事務職で受かる人に共通する動きは、大きく3つです。
- PC・Officeスキルを「具体的な数字と作業」で示す。「Excelできます」では誰も評価しません。「VLOOKUPとピボットで月次の集計表を作っていた」「関数で手作業を週2時間削減した」まで書く。ここが一番効きます。
- 前職の経験を、事務の言葉に翻訳する。営業なら「見積・請求書の作成、顧客データ管理、電話・メール対応を日常的にやっていた」と言い換えられる。あなたの仕事の中に、すでに事務スキルは埋まっています。
- 志望動機を「逃げ」で終わらせない。「落ち着いて働きたい」で止めず、「縁の下でチーム全体を回す仕事に向いていると気づいた」まで持っていく。何から離れたいかではなく、何に向かいたいかを語れる人が残ります。
とくに2つ目の「翻訳」は、未経験からの事務転職では最強の武器になります。多くの人が「事務未経験だから語れることがない」と思い込んでいますが、それは自分の経験を事務の言葉に置き換えていないだけ。営業事務・経理事務・貿易事務……どのポジションも、前職の一部と必ずどこかで地続きです。
本命は「人気が割れている」狙い目ポジション
ここが一番大事な話です。ひとくちに事務職と言っても、実は倍率がまったく違います。多くの人が殺到するのは「一般事務」「営業事務」あたり。
でも専門性が一枚かぶさったポジションは、応募者が一気に減ります。人気が割れる=あなたのチャンスが増える、ということです。
たとえば営業事務は、営業や販売の経験者にとって最有力の入り口です。見積作成・受発注・顧客対応といった業務が前職と地続きなので、「翻訳」がそのまま効く。未経験の一般事務に10人並ぶより、営業経験を武器に営業事務を狙うほうが、勝率はぐっと上がります。
もう一段抜けたいなら専門事務です。経理事務なら日商簿記3級から、余裕があれば2級。医療事務なら関連資格。
貿易事務なら英語力と貿易実務の知識。ひとつ専門をかぶせるだけで、応募者の母数がガクッと減り、あなたが「その他大勢」から抜け出せます。資格取得の数ヶ月は、倍率を下げるための一番確実な投資です。
未経験なら「派遣・紹介予定派遣」も正攻法
「どうしても事務未経験で、正社員の書類が通らない」。そういうときに、遠回りに見えて実は近道なのが派遣・紹介予定派遣です。ここを「非正規だから」と最初から外す人が多いんですが、もったいない。
派遣なら未経験でも事務の現場に入りやすく、まず「事務実務の経験」という実績が手に入ります。この経験があるだけで、次の正社員応募での書類の通り方が変わる。とくに紹介予定派遣は、一定期間働いてお互い合意すれば正社員登用が前提の仕組みなので、「未経験→事務経験→正社員」の橋渡しとしてよくできています。
事務職の入り口としては、王道の一つと考えていい。
もちろん、いきなり正社員を狙える人はそれでいい。ただ、正面突破で全滅を繰り返すくらいなら、一段迂回して実績を作るほうが、結局は早く事務にたどり着けます。
非公開求人はエージェントで拾う
事務職ほど、いい求人が表に出てこない職種はありません。人気で応募が殺到するのが分かっているから、企業は求人サイトに公開せず、エージェント経由の非公開求人でこっそり募集することが多いんです。表の求人票だけを見て「事務は枠が少ない」と嘆いている人は、そもそも戦場の半分しか見えていません。
だから、事務を本気で狙うなら転職エージェントの登録はほぼ必須です。使い方はシンプルで、まず求人数の多い総合型で全体の相場感をつかむ。リクルートエージェントやパソナキャリアは事務の求人も豊富で、非公開求人を拾うのに向いています。
書類や面接をていねいに見てほしい未経験の人なら、伴走型のハタラクティブを1社足すといい。多くても2〜3社で十分です。
エージェントに「営業事務を狙いたい、前職は営業」と伝えれば、あなたの経験を事務の言葉に翻訳する手伝いもしてくれます。ひとりで書類を練って空回りするより、外の目を借りたほうが早い。相談も求人紹介もすべて無料なので、まずは相場の下見くらいの気持ちで登録して構いません。
当サイトの16タイプ診断は、「原動力・主導権・強みの型・判断軸」の4つから、あなたの働き方タイプを出します。事務が本当にあなたの型に合っているのか、それとも「今がしんどいから逃げたいだけ」なのか。ここがはっきりすると、応募の一つひとつに芯が通り、志望動機も自然と強くなります。
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