職種・業界別 ・ 監修 中町しずく ・ 更新日 2026-07-05

経理・財務の転職ガイド|未経験・経験者別の進め方と評価される職務経歴書

経理・財務の転職ガイド|未経験・経験者別の進め方と評価される職務経歴書

経理は、転職市場でずっと人気が落ちない職種です。景気が悪くなっても真っ先に切られる部署ではないし、会社がある限り仕事もなくならない。経験を積むほど「手に職」になっていくのも大きい。

だからこそ、未経験から目指す人も、いまの経理から次へ動きたい人も、どちらも相談が絶えません。

ただ、この2つは進め方がまったく違います。未経験の人がやるべきことと、経験者がやるべきことは、ほぼ真逆と言っていい。ここを混ぜて考えると、未経験なのにハイクラス向けの動き方をしてしまったり、経験者なのに未経験者と同じ土俵で戦ってしまったりする。

この記事では、未経験ルート経験者ルートを分けて、それぞれの正しい進め方と、経理でいちばん差がつく「職務経歴書の書き方」を具体的にお伝えします。

まず、経理が「手に職」になる理由

経理という仕事は、扱う金額や会社が変わっても、やっていることの骨格は変わりません。伝票を起こし、帳簿をつけ、月次で数字を締め、決算で1年をまとめる。この流れはどの会社でも共通です。

だから一度きちんと身につければ、業界が変わっても持ち運べる。ここが「手に職」と言われる理由です。

しかも、経験の階段がはっきりしています。伝票入力から始まって、月次決算、年次決算、そして連結決算や税務、経営に近い財務まで。上がるほど求められる人が減り、その分だけ評価も年収も上がっていく。

逆に言えば、「自分がいまどの段まで登っているか」を正確に言えることが、経理の転職では最強の武器になります。抽象的な自己PRより、この一言のほうがずっと効く。後半で詳しく話します。

【未経験】簿記+アシスタントから実務を積む

まず未経験ルート。結論から言うと、いきなり経理の花形を狙わず、入口を広くとって実務経験をつかみにいくのが正攻法です。焦って「経理職」だけに絞ると、応募できる求人がぐっと減ります。

簿記は2〜3級で十分、まず動く

未経験者からいちばん多い質問が「簿記は何級まで要りますか」です。答えは、まず日商簿記3級、できれば2級。3級は「経理の言葉がわかる」証明、2級は「実務についていける」証明くらいの位置づけです。

1級や税理士科目は、未経験の入口では過剰。取っている間に時間が過ぎるより、2級を取ったら早めに現場に入って、本物の実務を触るほうがいい。実務経験1年は、簿記1級より重く見られることが多いです。

入口は「経理アシスタント」「一般事務+経理」

未経験がまず狙うべきは、経理そのものより経理アシスタントや、経理業務を含む一般事務です。伝票入力、経費精算のチェック、請求書の処理、データ入力。地味ですが、ここが実務の第一段です。

中小企業やベンチャーだと、少人数ゆえに一人が幅広く任され、結果として月次まで一気に経験できることもある。「大企業の経理の一部分だけ」より、「小さい会社で一通り」のほうが、後々の市場価値では効いてくる場面が多いです。

未経験の落とし穴: 「簿記を極めてから応募しよう」と勉強に籠もりすぎる人がいます。でも採用側が見るのは実務を触った経験です。2級を取ったら、完璧を待たずに動く。未経験・第二新卒に強いハタラクティブのような支援や、求人数の多いリクナビNEXTリクルートエージェントで、まず「経理アシスタント」の求人がどれくらいあるか眺めてみるのが第一歩です。

【経験者】「どこまでできるか」で語る

ここからは経験者ルート。経験者の転職は、未経験とは戦い方が根本から違います。ポイントはただ一つ、「自分がどこまでできるか」を具体的に示せるかどうか

ここに尽きます。

採用する側は、あなたが即戦力かどうかを知りたい。だから「経理経験5年」という年数だけでは、ほとんど情報になりません。5年やっていても伝票入力止まりの人もいれば、3年で決算まで回している人もいる。

年数より担当範囲で見られます。だからこそ、自分の実務レベルを段で言えるようにしておく。

入力・伝票仕訳入力、経費精算、支払・入金処理
月次決算月次の締め、試算表作成、部門別の集計まで一人で回せる
年次決算年次決算の主担当、決算書・注記の作成、監査対応
連結・税務連結決算、税務申告(法人税・消費税)、開示資料の作成
財務・管理資金繰り、銀行折衝、予算策定、経営数値の分析

この階段のうち、自分が主担当として回せるのはどこまでかを正直に把握しておく。「決算は補助で入ったことがある」のか「主担当として一人で締めた」のかは、天と地ほど評価が違います。盛る必要はありません。

むしろ盛ると面接で崩れる。等身大で、でも「ここまではできる」と言い切れる線を持っておくことが、経験者の一番の強みになります。

経理で評価される職務経歴書の書き方

経理の職務経歴書は、コツが明確です。ひとことで言えば「数字で語る」。人柄や意欲より先に、規模・範囲・使ったツールを数字で出す。

採用担当は職務経歴書の数行で「うちの決算を任せられるか」を判断するので、そこに答えを置いておくイメージです。

入れるべき「3つの数字」

担当範囲どの段(月次/年次/連結)を、主担当か補助か。「単体年次決算を主担当として2期」など。
会社の規模売上高、従業員数、担当した子会社の社数、扱う仕訳の件数など。事業の規模感が伝わる数字。
使用会計ソフト弥生、勘定奉行、freee、マネーフォワード、SAP、Oracle など。使えるソフトは即戦力の証明になる。

たとえば「経理業務全般を担当」ではなく、「売上高50億円・従業員200名規模の製造業で、単体月次決算を主担当(5営業日で締め)、年次決算は補助。勘定奉行クラウドを使用」。これだけで、相手はあなたの実務レベルをほぼ正確にイメージできます。数字が入るだけで、同じ経歴が別人のように強く見える。

ここが経理の職務経歴書で最も差がつくところです。

ありがちなNG: 「正確・丁寧を心がけ、締め切りを守ってきました」——気持ちはわかりますが、これは経理なら全員が言うことなので差別化になりません。心がけより担当範囲・社数・ソフト。職務経歴書全体の書き方の型は、職務経歴書の書き方の基本もあわせて読むと、経理以外の共通ルールもつかめます。

相談先はどう選ぶ|管理部門はMS-Japan・JAC、汎用はリクルート

経理の転職では、エージェント選びで結果がわりと変わります。経理・財務は「管理部門」という専門枠で扱われることが多く、そこに強いエージェントとそうでないところで、出てくる求人の質が違うからです。

目安はシンプルです。経理・財務ど真ん中の求人を厚く見たいなら、管理部門・士業に特化したMS-Japan経理/財務専門の求人が集まり、専門性を正しく評価してくれるコンサルタントに当たりやすい。年収帯の高いハイクラス(経理課長・財務・CFO候補など)まで狙うなら、専門職・管理職に強いJACリクルートメントを併せて。

一方、未経験〜中堅で幅広く求人を見たいなら、求人数が最多クラスのリクルートエージェントから。まず総合大手で相場観をつかみ、管理部門を本格的に狙うならMS-JapanやJACを足す、という二段構えが失敗しにくいです。

登録は無料ですし、応募の義務もありません。いまの自分の経験が「どの段」として市場でいくらに見えるか、プロに一度当ててもらうだけでも、次の一手が決めやすくなります。エージェントごとの伴走スタイルの違いは、職種別のエージェント比較も参考にしてみてください。

迷ったら、自分の「型」を先に知る

経理と一口に言っても、コツコツ正確に積み上げる仕事が向く人と、財務や経営に近い場所で数字を武器に攻めたい人とでは、目指す先が変わります。同じ経理でも、専門を一点突破で深めるのか、管理部門で幅広く関わるのかで、選ぶ会社もエージェントも違ってくる。

当サイトの16タイプ診断は、「原動力・主導権・強みの型・判断軸」の4つから、あなたの働き方タイプを出します。自分が専門を一点で深めたい型か、それとも幅広く見渡す管理側で力が出る型か。ここがはっきりすると、「どこまでの経理を目指すか」で迷わなくなる。

次の一歩を決める前に自分の軸を確かめておくだけで、経理はずいぶん遠回りが減る職種です。診断結果ページでは、あなたのタイプに合った相談先も3つ提案しています。

※本記事で紹介する転職サービスにはPRを含みます。サービスの利用は無料です。